不適王の再建記                    

©️ 2018-2023 不適王 (id:nekozebito)                                                

真の恐怖

私は恐怖で足がすくんでいた。

 

住民が町の至る所の家屋の物陰に身を潜めて様子を伺っている。

 

警察も身をかがめながら対応している。

 

私も動かない体を必死に動かしながらも、物陰に隠れようとした。

 

何者かテロリストか誰なのか分からないが、謎の集団がライフルをぶっ放していて、所々で弾が弾ける音がする…

 

これが私の2023年、初夢であった。

 

    __________

 

もう何年も何年も、かなり前のこと。

こちらは現実の話だ。

私は15歳ぐらいの時に、父と弟と3人で、二十日ネズミが暮らしている某夢の国へ行ってみたことがある。

 

その某夢の国の道を歩いていたら、見たこともないマイナーのキャラクターを見つけたので、一緒に写真を撮ることにした。

 

私はそのキャラクターの横に立ち、弟と3人で父が撮る写真に収まろうとしたところ、そのキャラクターから顔に激しいエルボー(肘打ち)を食らった。

 

かなりどぎついエルボーだった。

 

私はショックを受けたが、恐ろしかったのはその後だ。

 

そのキャラクター、せめて 身振り手振りをもってして可愛らしく「ごめんね~」「痛くなかったか~い」ぐらいのニュアンスでパフォーマンスでもしてくれたら、まま、そのうち許せたものだった。

 

ところがだ。

 

そのキャラクター、至って普通に何事もなかったように、我が家の写真に収まっていた……

 

二度と二十日ネズミが暮らす某夢の国へ来るもんか!と思った。

あれ以来、私は1度も行っていない。

いまだに、あの時のエルボーの感触が残っている。

 

まれに街中で、ゆるキャラというものを見かけることがある。

 

いつも思う。

 

(近づくと肘打ちしてくるかもな…)

 

悪夢よりも、夢の国を語る現実の方が、はるかに恐ろしくて不気味なのである。

 

 

不適王