不適王の再建記                  

©️2018-2024 不適王 (id:nekozebito)                                         

受験地獄

中学校に入った私 不適王は、学校生活、部活動、そして塾という3大ストレスフルな生活に埋没していた。

 

新生活における この3つのコミュニティ。

 

その子どもにとって意味のあるものであればよいと思う。

 

しかし、私という人間の場合においては、自分自身が全く成長できないどころか、ただ心身を壊してしまうだけの世界でしかなかった。

 

その後の人生でも、当時の環境を長らく恨んでいた。

 

しかし、学校・部活動・塾は、私の自由意思で、かつ基本的には人権を尊重されたコミュニティであり、反社会的なコミュニティに入っていたわけではなく、また私のポテンシャルの課題でもあったので、今ではさほど恨んではいない。

 

さて、私がこの中学校に入ってまもなくの頃、これまたタイミングが悪いことに、このストレスフルな状況に追い打ちをかける環境が出来上がりつつあった。

 

私には2つ年下の妹がいる。

 

誰の意向だったのか、この妹が中学受験をすることになった。

 

いわゆる受験戦争である。

 

母親はストイックに、妹の頭に詰め込む内容を、紙に書いては室内のあちらこちらの目に留まるところに張り付けた。

妹の部屋の机や壁のみならず、皆がご飯を食べる居間の机、さらにトイレの中まで、びっしりと張り付けた。

 

決して広くはない室内が、異常で異様な光景であった。

 

妹は私と違って学力が高かったので、かなりの苦労と努力をしながらも対応していたようだったが、母親が部屋中の至る所に紙を張り付ける過剰行為は、私からすれば鬱陶しくて仕方がなかった。

 

勉強そのものだけでなく、学校や塾を想起させるものは見たくなかった。

 

外の世界で心を壊し、家に帰っても心が休まる暇も無かった。

 

私は受験や受験勉強、受験戦争を否定はしない。

 

だけれども、もっと私の心理にも沿って、バランスよく精神衛生上の環境配慮をしてほしかったし、母親はそうするべきだった。

 

それまでも、その時も、私の母親 (父親については分からない) の教育は、子どもの学力だけに集約されていて、それ以外の子どもの成長や心というものに目を向けられない人だった。

 

ただし、これは親に備わった能力や社会環境に依拠するものであり、また、子どもが2人~3人と増えると、親の子育てにおける余裕が無くなることも想像ができる。

 

私が受験戦争の犠牲となったことは、今となっては仕方がないことだとも思っている。

 

 

不適王